今、うちの庭にこんな花が咲いています。
誰も植えていないし、どうして生えたのかわからない植物。
イギリスで見たブルーベルに似てる!青くないけど。というわけで調べてみました。
ブルーベルってどんな花?
ブルーベルは園芸をしている人なら知っている人が多いと思いますが、日本ではあまりメジャーな花ではありません。
イギリスでは日本の桜と同じ立ち位置の花です。桜が日本人にとって春を感じる花として咲くとウキウキするのと同じで、ブルーベルもイギリス人にとって春を連想させ、見に行かずにはいられない花です。
ブルーベルの群生は森の中の青い絨毯のようで、とても美しいです。
花の色は青や薄いピンク、白もあり、5月初めに満開になります。
形は小さなベルのような形で花弁の先がクルンと丸まっていて、本当にかわいい。
イングリッシュ・ブルーベル
イングリッシュ・ブルーベルは、学名をHyacinthoides non-scripta(ヒアシンソイデス・ノンスクリプタ)と言い、ヒアシンスに近い仲間です。
特徴は、
- 花は細い筒型で、花の先がクルンと反り返っている
- 花が片方向に寄って生えるので、茎が垂れ下がる
- 花の色は濃い青紫、白やピンクもある
- おしべが白っぽい
- 葉が細い (約1~1.5cm)
- 香りが甘く強い
イングリッシュ・ブルーベルは、イギリスに多く自生していますが、スパニッシュ・ブルーベルとの交配により、数が激減しています。
イギリスではイングリッシュ・ブルーベルを守るため、球根を掘り起こしたり、花を摘むのは犯罪です。
私がイギリス人にブルーベルの花を見られて嬉しいと話すと、押し花にして日本に持って帰ったらどう?と提案されてびっくりしました。
どんなにきれいでも花を摘むのは違法です!
スパニッシュ・ブルーベル
スパニッシュ・ブルーベルの学名はHyacinthoides hispanica(ヒアシンソデス・ヒスパニカ)で、シラー・カンパニュラータとも呼ばれています。
By Tsungam – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=78653776
特徴は、
- 花の形がベル型で、花弁の先がクルンと少し反り返っている
- 花は茎の360°どの方向でも生えるので、茎が垂れ下がることが少ない
- 花の色は薄めの青、白やピンクもある
- おしべは最初は青色で、時間がたつと白くなる
- 葉はイングリッシュ・ブルーベルより幅広 (約3cm)
- 香りはほとんどない
イングリッシュ・ブルーベルとの大きな違いは花の形と、花の向きです。
私が撮ったブルーベルの写真は全てイングリッシュ・ブルーベルだったので、wikipediaの写真を引用しました。
うちの庭のブルーベルはどっち?
イングリッシュ・ブルーベルとスパニッシュ・ブルーベルの違いを比較して、花の形と花の付き方から、うちの庭の花はスパニッシュ・ブルーベルだとわかります。
勝手に生えて勝手に咲いている花ですが、かわいく咲いているので大事にしようと思います。
イングリッシュ・ブルーベルを見られる場所
イングリッシュ・ブルーベルが咲くころになると、イギリス人はこぞってBluebell Walk(ブルーベル・ウォーク)に森へ出かけます。
London(ロンドン)近郊のブルーベルの森は、National Trust(ナショナル・トラスト)が紹介しています。
私はイギリス人の友人に連れられて、Oxford近郊で初めてブルーベルの森を見ました。
日陰でちょっと薄暗く涼しい林に、真っ青の花の大群が広がっていて、とても美しかったです。
2度目に見たのは湖水地方です。Orrest Head(オレスト・ヘッド)という丘にたくさん咲いていました。Orrest Headに登った時の記事はこちら↓
イングリッシュ・ブルーベルを見る時の注意点
葉や株を踏まない
傷つくと光合成ができなくなり、死んでしまいます。
イングリッシュ・ブルーベルは花が咲くまでに数年かかります。
葉を踏むことがブルーベルの生育を妨げ、数を減らすことにつながります。
必ず指定された場所、歩道を歩いてください。
球根を掘り返したり、花を摘んだりしない
The Wildlife and Countryside Act 1981(野生生物及び田園地帯保護法)13条により、罰せられます。
また、違法に販売されているブルーベルを購入しても罰せられます。
お店でもブルーベルが販売されていますが、販売元を確認する方が良いでしょう。
イングリッシュ・ブルーベルにスパニッシュ・ブルーベルを近づけない
スパニッシュ・ブルーベルは繁殖力が強く、お互いの遺伝子が近いので、すぐに交配してしまいます。
現在、ハイブリッド種がかなり増えており、イングリッシュ・ブルーベルかどうか見分けるのは遺伝子を確認する必要があります。
ブルーベル見分け方まとめ
イングリッシュ・ブルーベル | スパニッシュ・ブルーベル | |
---|---|---|
学名 | Hyacinthoides non-scripta ヒアシンソイデス・ノンスクリプタ | Hyacinthoides hispanica ヒアシンソデス・ヒスパニカ |
花の形 | 細い筒型 花弁の先が反り返っている | ベル型 花弁の先が反り返っている |
花の付き方 | 片方向に寄って生える | 茎の360°どの方向でも生える |
花の色 | 濃い青紫、白、ピンク | 薄い青色、白、ピンク |
おしべの色 | 乳白色 | 最初は青、その後乳白色 |
茎 | 花の重みで垂れ下がる | 垂れ下がることが少ない |
葉の幅 | 1~1.5cm | 3cm |
香り | 強く甘い香り | ほとんどない |
4月から5月にかけて咲くブルーベル。
もしあなたのイギリス旅行がこの季節になるなら、ブルーベルの森をぜひ訪問してください。
イングリッシュ・ブルーベルは絶滅危惧種なので、ルールを守って森の青い絨毯を楽しみたいですね。
↓ブルーベルを見られる場所の紹介記事はこちら↓
↓イギリスのガーデン記事はこちら↓