日本でお墓というと、あまり行きたがらない雰囲気がありますが、イギリスのお墓はとても市民から親しまれています。
今回訪れたHighgate Cemetery(ハイゲイト墓地)もイギリス人に人気の観光スポットで、ファンタスティック・ビーストの映画のロケ地にもなっています。
Highgate Cemetaryへの行き方からツアー内容までを紹介します。
ハイゲイト墓地の場所と行き方
Highgate Cemetery(ハイゲイト墓地)はロンドン北部Archway(アーチウェイ)の近くにあります。
地下鉄Northern Line(ノーザン・ライン)にあるArchway Station(アーチウェイ駅)からバス210番やC11番で10分+徒歩で8分くらいで到着します。
バスを降りてWaterlow Park(ウォーターロウ・パーク)を抜けると、Highgate Cemetery Westの門があります。
その中にツアーのチケット売り場があるので、まずツアーのチケットを買いましょう。
人気のツアーなのですぐに満席になります。
私は10:00すぎに到着して11:00のツアーに参加できました。ツアー代金は£12.00です。
Highgate CemeteryはWestとEastがあり、Swain’s Lane(スウェインズ・レーン)という道で分かれています。
Westはツアーでしか中に入ることができませんが、Eastは自由に中を見て回ることができます。
Westでツアーチケットを購入すると、Eastにも入ることができるので、両方見たい人は先にWestのツアーチケットを購入しましょう。
ハイゲイト墓地東部
Highgate Cemetery East(ハイゲイト墓地東部)は日本人に馴染みのある人の墓石がありません。
でも、芸術的ともいえる墓石が数多くあり、それを見て回るだけでも楽しいです。
カール・マルクスの墓
一番の見所はKarl Marx(カール・マルクス)です。
Karl Marxはドイツ人の哲学者で社会主義に影響を与えました。
お墓の上に彼の顔が乗っています。ちょうど逆光になっていて、大きな顔に迫力がありました。
パトリック・コールフィールドのポップな墓
モダンアーティストのPatrick Caulfield(パトリック・コールフィールド)のお墓は芸術家らしく自分でデザインしたものだそうです。
お墓にDEADと入れてもポップな感じに見えます。
ペンギン・ブックスの墓標 (ジム・スタンフォード・ホーンのお墓)
Jim Stanford Horn(ジム・スタンフォード・ホーン)のお墓はPenguin Books(ペンギン・ブックス)のデザインです。
でも彼はPenguin Booksの関係者ではなく、Penguin Booksの大ファンだった人でした。
ハイゲイト墓地西部ツアー
Highgate Cemetery West(ハイゲイト墓地西部)のツアーはボランティアのガイドが行います。
私のツアーのガイドはPaul(ポール)さんです。
Highgate Cemeteryは文化的価値のある重要な場所ですが、維持や修繕に一切税金を使っておらず、全て寄付や入場料等で賄っています。
このような場所の常として維持費が多額になるので、ぜひ何度も訪れてほしいと言っていました。
ハイゲイト墓地西部入口の教会
West Cemeteryに入る前にチューダーゴシック様式の建物を通ります。
左側に入るとチケット売り場がありますが、元は英国国教会の教会でした。
右側はその他の宗教のチャペルとなり、宗教によりどちらに進むか決められていました。
Highgate Cemeteryは宗教に関係なく誰でも埋葬される場所だということがわかります。
ハイゲイト墓地の車寄せ、コロネイド
中に入るとThe Colonnade(コロネイド)と呼ばれる半円形の広場に出ます。
ここは馬車が方向転換したりする場所だったそうです。
The Colonnadeから丘を登り墓地に入ります。
The ColonnadeからThe Egyptian Avenue(エジプシャン・アベニュー)までの道に沿った墓地が最も高価な場所だったそうです。
ハイゲイト墓地西部の最初のお墓
Elizabeth Jackson(エリザベス・ジャクソン)のお墓。West Cemeteryの最初のお墓です。
1839年5月26日に埋葬されたそうです。
200年近くもここに眠っているんですね。
イギリス人は死んでもジョークを言う
墓石の下に「ENTRANCE」(入口)と書かれているお墓もあります。
「死者が入る所だから書いてあるけど出口はありません」とガイドさんが説明していました。
お墓にジョークを刻むなんてイギリスらしいと思います。
ロンドンなのに異国情緒あふれるエジプシャン・アベニュー
両側にオベリスクがあるThe Egyptian Avenue(エジプシャン・アベニュー)は廃墟のようになっています。
昔は屋根がありアーケードのようになっていましたが、今は吹き抜けになっています。
片側に8つの部屋があり、中にお墓があります。
部屋のドアにはたいまつが逆さになった装飾があります。
これは命の火が消えたこと(死)を意味しています。
ファンタスティック・ビーストのロケ地、サークル・オブ・レバノン
The Egyptian Avenueを登りきると、The Circle of Lebanon(サークル・オブ・レバノン)に入ります。
ここが映画「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」でグリンデルバルドが集会を開いた場所として撮影された場所です。
扉の中はお墓なので入ることはできませんでしたが、円形の建物はそっくり同じです。
ニュートたちがこの円の中に立っていたのかと考えるとワクワクしますね。
ここに来る前に映画を見ておくと、そのシーンを思い出しやすくなるので余計に感動します。
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ハイゲイト墓地にも骨壺を納める共同墓地がある
The Circle of Lebanonの中にColumbarium(コランバリウム)という部屋があります。
ここは骨壺を安置する共同墓地です。
鉄格子で遮られていますが、中を覗くことができます。小さいけれども墓誌があるのが見えます。
ライオンが守るお墓
West Cemeteryの中には動物が彫られた墓石が7種類あるそうです。
そのうちの1つがライオンで、George Wombwell(ジョージ・ウンウェル)という移動動物園の園長のお墓です。
ライオンの名前はNelo(ネロ)と言うそうです。
セント・マイケル教会と棺を納めるカタコンベ
The Circle of Lebanonの上にSt Michael’s Church(セント・マイケル教会)が立っています。
教会の中にはThe Terrace Catacombs(テラス・カタコンベ)という墓地があります。
床から天井まで棺を納める棚があって中は暗くてひんやりとしており、ツアーの中でもあまり人が入りたがらない場所だそうです。
ハイゲイト墓地の中にある優美なお墓、ビア・モーゾリウム
The Beer Mausoleum(ビア・モーゾリウム)は、Julius Beer(ジュリアス・ビア)が建てたお墓です。
この墓地の中で最も大きな個人所有の墓で、中には大理石でできたJuliusの娘Ada Sophiaの美しい石像があります。
扉の隙間から石像を見ましたが、日光が大理石を反射してとてもきれいでした。
忠犬が守る墓
Thomas Sayers(トマス・セイヤーズ)のお墓には犬がいます。
Thomas Sayersはビクトリア時代のボクサーで、彼のお葬式はHighgate Cemeteryで行われた中で最大規模でした。
犬の名前はLion(ライオン)だったそうです。
子どものお墓
子羊の石像があるお墓は子供が埋葬されています。子羊は無垢や純真を表しています。
ハイゲイト墓地ツアーの最後はフィリップ・ハーベンの墓
ツアー最後のお墓はPhilip Harben(フィリップ・ハーベン)でした。
私は全く知らない人ですが、イギリスの最初のセレブリティ・シェフとして有名だそうです。
有名人のお墓としてはGeorge Michael(ジョージ・マイケル)もここに眠っているそうですが、一般には公開されていません。
約2時間のツアーでしたが、あっと言う間に時間が過ぎました。
Paulさんのお話も面白く、ゆっくり歩いている人も話を聴けるように待ってくれたりもしました。
墓地だけれども、もっと探検してみたかったです。